自分の大学生の時のこっちの世界を知るきっかけになった体験を書いてみたいと思います。
僕の大学は学科の中に必修ごとにクラスができていて、20名くらいで男子が7人くらいでした。入学してクラスの中に、2浪して入ってきたSがいました。僕は高校時代は生徒会をやっていたので、運動系にあこがれを持っていました。Sは逆に高校時代はラグビー部だったらしく、背も186cmもあり、僕は170だったので、いつも見上げるようにして話してた記憶があります。彼は2歳年上なので周りは少し遠慮してたり、逆に気を使ったりしてました。特に、顔が超絶イケメン(中川大志とか福士蒼汰に似てる)で、スポーツやってたせいで筋肉ボコボコで、年齢に容姿端麗も加わってみんなちょっと遠慮してたところがあります。
僕はSは最初は俳優さんかと思うくらい遠慮してたけど、いつも笑い取ってくれたりして笑かしてもらって、でもノートに書く字がすごく小さくて丁寧で意外だねってSに伝えたりしてました。
そのうち、男子だけで大学の横にアパートがあったSの家で遊ぶようになりました。Sはみんなが居るときは、上半身裸になって踊ったりしてひょうきんものでした。僕はいつも腹抱えて笑ってました。でも、ふと素になってSのバキバキの体とかが、やっぱり大人っぽいなーかっこいいなーと思ったりもしてました。当時はこっちの経験は無かったです。
1学期が終わるころになると、僕も友達たちもS家に入り浸ってました。だんだんSについて分かってきたのは、意外と几帳面で綺麗好き。部屋はいつ行ってもすんごくきれいでした。散らかったものはすぐに片付ける習慣があり意外でした。あと周りの友達は無視してましたが、なんかポエムを小さなメモにいつも書いたりしてて誌的なところがありました。みんながゲームとかしてる時に、僕に小さな紙に書いた誌を見せてきて小声で「どう?」とか聞いて来るんで、「いいとおもうよ。なんかSが書いたって知らなかったら、誰だか分からないくらいいい感じだよ」なんて感想を答えたりしてました。
Sはみんなの前ではひょうきんな体育会系ナイスキャラに徹してましたが、次第に僕には詩を見せてきたり、ノートに描いているよく分からない人物のめちゃくちゃうまい絵とか見せてきたりして、僕も毎回すごいねーって感動してました。
あるとき、みんながゲームに夢中になってるとき、いきなりSが「りょうと話してると幸せ♡」とか言ってきました。「えっ、なにいってるんだよー」と適当に流しましたが、Sは結構真剣顔。そして、小声で「あとりょうってさ、いい匂いする」とか言って僕の来てたシャツをにおってきました。
「何もしないよ、汗っしょ?」って聞くと「ううん、なんかかわいい匂い♡」とか小声で言ってくるもんで顔から火が出るくらい恥ずかしくなり、みんなに聞かれたらはずいからやめてくれって言いました。
そんなことを言うようになってから、いつもみんなでお開きになって解散しようとしても、「りょうはちょっと残ってき」とか言うようになりました。
そのまま二人で部屋にいても、特に特別に何かするでもなく、Sは詩を書いたり絵を描いたり、たまにいきなり懸垂を始めたり、ちょっとイミフな感じでしたが、まったり、僕もSの部屋にあった曲をかけて一人カラオケしたり、なんとない時間を過ごしてました。
僕がSの綺麗な部屋の床にねそぼってイヤホンで曲を聞いていると、僕の腰に頭をのせてきて僕を枕のように毎回するようになりました。腰回りは、万一ズボンが臭かったりしたらハズいので、毎回「臭かったらいやだからやめなって」と言いましたが、「くさい?お前はいつもいい匂いするよ。今日も。」と僕の腰に鼻を押し付けてきたりしました。「毎回そう言うけど俺には分かんないよっ」と答えるもののSはやめません。
あるとき、またいつものように二人でまったりしてたら、Sがいきなり僕とプロレスごっこみたいなことをしかけてきました。体と力では全くかないません。いつもガチガチに固められて「ギブっ!!」と降参する始末。
しかしこのときは、どさくさにまぎれて、僕の手首をSがそれぞれの手でつかみ、完全に床ドン体制で押し倒されました。いきなりのことに「??」となっていると、Sが上から見下ろすように僕の顔をのぞいてきます。
「りょう〜、かわいくてたまんねー」
そう言って顔や体をわしゃわしゃしてきました。
「くすぐったいよー」と抵抗するも全くかないません。
あっという間に抱き枕のようにされて2人床に寝そべって強烈なハグ。。。
僕は一気に恥ずかしくなって耳が真っ赤に。
「りょうのミルクみたいなにおいがたまんないーーー」と僕の首のあたりや背中をクンクン噛んできました。「赤ん坊じゃないし!!」と言い返しますが、Sは夢中になっている様子。「そんなにいい匂いする?」「うん、安心するし、ちょっと・・・興奮するかもしんない♡」とか言ってくるので吹き出しそうになり「同性どうしだわ!!」と突っ込むも「だから?」とここは真面目な顔で返してきます。
そんなじゃれ合いが続きながら夏休みが近づいてきました。
2人で車の免許を合宿で取りに行く約束をしました。
合宿先では2週間宿舎にこもって勉強と実習です。
合宿先でも、僕たちと同じくらいの大学生2人組がいて仲良くなりました。その2人はプレステを持ってきていて、僕らの部屋に夜はやってきてSは一緒にプレステをやってました。僕は仮免で落ちたくないので教則本を勉強したいのに部屋がうるさいので、宿舎の2階の共有スペースに一人で移動しました。
夜のうす暗い静かなところで勉強がはかどりました。
しばらくすると、同じく合宿に来てる、30歳くらいの建設系の土方っぽいお兄さんが現れました。茶髪でやんきーぽくて怖い感じ。その人は無言で僕の横に来ました。
そしていきなり僕のほっぺたを触ってきました。
「こんなとこで1人で何してるの?肌、めっちゃくちゃきれいだね」と僕のほっぺたをさすってきます。鳥肌が立つくらい怖くて、何も言い返せず、ずっと頬っぺたを触ったり、引っ張られたりしました。その指が本当に気持ち悪くて、でもお兄さんが怖くて、されるがまましばらくしてたら、
「りょう!!」
とSの声が。
僕が泣きそうな顔してSの方を向いたので、Sもただごとでないと気付いてすぐに走ってきてくれました。とっさにSは「俺の大切な連れに何してるんすか?」と言い、僕の腕をぎゅっと引っ張りあげ、いきなりSにチューされました。「俺たち、こういう関係なんで。」Sはお兄さんにそう強く言い放ち、「べ、べつに野郎に興味なんてねーわ!」と捨て台詞を吐き去っていきました。
僕はいきなりチューされてびっくりしてたのもあるけど、すぐ我に返り、今の恐怖が本当に怖くて、急に泣いちゃいました。
「一人でこんなとこ来るからだろ〜」Sは僕をぎゅっと抱き寄せ、頭をなでなでしてくれました。この時ばかりは僕もSが本当にかっこよくて、頼もしくて、思い切り抱き着いてSの腕の中でシクシク泣き止むまで泣いてました。
続きます:)