※コメントありがとうございます。
新歓コンパが終わって、新入生が練習に加わり新学期のどたばたが落ち着いてきた頃、ヒデ(山本)は相変わらずだった。他の新入生は全員経験があったので、早速チームに別れて紅白戦をしている。
ヒデは経験が無いのに加え、運動音痴だった。皆が呆れるくらい運動がダメで、最初ちやほやしていた女子も今では完全に興味が無くなったらしい。ゆうすけが、
「お前が勧誘したんだから責任もってね。」と、皆の前で言った。
それがきっかけでヒデの面倒を俺が付きっきりで見ることになってしまった。
コーヒーショップでバイトを始めてサークルに出る回数が減った。その頃、ずっと身長が低かった俺は、一年の後半頃から急に身長が伸び始め、169くらいまで伸びていた。すると、女子から告白されることがあった。今まで想像もしていなかったことに俺は驚いた。
ただ、それは俺にとってはどうしようも無いことで、断るしかなかった。
でも、その時から、俺は少し考え方が変わった。
今まで、人を好きになってもそれが実ることが無かったことを、ごく普通のことだと思うようにしていたし、傷つくのが嫌で恋愛を放棄していた。しかし、立場が逆になったことで、他人から好かれるのはすごく嬉しいと思った。
中学生のころのことを思い出すと恐いけれど、他人を思いやれる人となら結果が実らなくても恋愛はしたいと思うようになっていた。
考え方が少し前向きになってきて、学校のゼミやサークルなどでも多少積極的になっている気がした。