好きになる事…相手と少し距離を置くこと
愛し合うこと…同じ方向に一緒に向くこと
近づくことでも、向き合うことでもない
最初は…全部自分が悪かった
んー、今でもそうなのかも知れない
でもオレは、自分の初恋だけは…
どんなに自分が嫌で忘れたくても、忘れられないんだ
そんなに面白い話でもないと思うその話は
今から3年前の話
オレは中学2年が終わろうとしていて、高校の入試に向けての勉強を強いらていた
でも、オレは昔から抑えてきた気持ちを…抱えてきた疑問を…
もう抑えておくことはできなかった
中3になって携帯を手にしたオレは、あるサイトにアクセスした
そう、ゲイの掲示板である…
そのときオレは、自分以外にもこんなに同性愛の人がいるんだってことを知った
オレはその頃、あんまりゲイについて知らなかったし…
情報源すらなかったから、掲示板にどういうこと書き込めばいいのかわからなかった
他の人の投稿をみる…
「彼氏募集」っという題名の書き込みだった
プロフとか、自分についてのアピールが載っていた
文章力も、説得力もないオレだってことは、よく知っていた
バカだと思った
無理だと思った
でも、掲示板に彼氏募集の書き込みをした
そんなに時間がたたないうちに1通のメールが来た
歳は2歳上だったが、高校には行っていなかった
彼は名前を達也といった
んー、今思うと…2歳上はそんなに離れていないと思う
けど、そのときは2歳がすごくでかかった…
年齢の差を気にしない付き合いをしようと約束した
オレにとっての初めての幸せがきたんだって思った
家族といる時間よりも…先生や友達といる時間よりも、一人でいる時間が多かったオレは、自然と達也とメールしている時間が一番長くなった
愛していたと、俺は思う
彼は北海道某所に住んでいて、俺は本州某所に住んでいた
絶対会えないって…
そんなのわかってた
でも、達也が愛してくれている限り
オレは永遠に愛し続けたいと思えた
意味の無いことで笑った、相手も笑っていたようだった
つまらない意地悪でからかい合った
すごく楽しい時間だった
でも、そんな生活が3ヶ月ほど過ぎて
達也の態度は急変していった…
言動が変わったわけじゃない
でも、オレが見て達也は変わっていた
オレが経験したことの無いような反応や
冷たい視線を…感じるようだったんだ
また、一人の時間が長くなりかけていた
そして…遠距離という理由から
そして…オレの受験勉強という時間の圧力から
言い出したのは
達也ではない
オレだ
達也の心を傷つけるようだったけど…冷たくなる達也を見たくなかった
最悪だろう?
オレはいつでもそうだ
そう、別れを切り出した
達也はその問いに、待ってましたとある答えを返した
涙が…止まらなかったよ
今でも思い出せば、枕をぬらして寝ることができる
達也に謝りたい
オレと会わなければ…
今はそう思うだけ
今は…また一人の時間が、長くなっただけ…