それからというもの、真吾のことが気になって気になって、夜も眠れないし、授業中は真吾ばっかり見て集中できてない…
俺は自分がホモであるということを、認めたくなかったし、彼女だってほしかったはずなんだ。
ものすごく、悩んだ。
真吾が明るく、はなしてくるだけでイライラするようになって冷たく当たった時もあった。
俺は自分自身が、何なのか分からなくなっていた。
そんな、夏のコンクール県大会を1週間後に控えた日の夜。俺の携帯が鳴った。
メールだ。
受信ボックスを開くと、
『真吾』
の2文字。
真「最近どうした?元気ないぞ!!悩み事でもあるの?」
真吾は、俺の勝手な態度を気遣ってメールをくれた。
俺「そう?そんなことないよ!大丈夫。」
俺は強がった。
真「うそだ!俺には分かるよ。絶対おかしいよ。」
真吾からの返信。
俺「いや、ホント大丈夫だから…!!」
俺はそのメールに返信した。その後、真吾からの返信はなかった。
俺は、ため息をついて、お風呂に入りに行った。
湯船につかって、目を閉じる…。
浮かんでくるのは、大好きな真吾の笑顔。
大好きな…??
俺「俺…真吾のこと好きなのかなぁ。」
わざとつぶやいてみる。
その直後に、首をふって自分自身を否定した。
俺「大好きと愛してるは違うよ…」
自分にいい聞かせて、だいぶのぼせ気味になった俺は、風呂からあがった。
着替終り、バスタオルで髪を拭きながらチラッと携帯を見ると、ランプが点滅していた……。
Eに続く