俺はOが好きだと自覚して悩んだ、Oは決してゲイではないことに。Oに好きな人がいるかと聞いたときに、「特別好きって人いないけど、やっぱかわいい子がいいな。」と言っていたし、俺に彼女疑惑が浮上したときにノリノリで首を突っ込んできた。こんなことからOがノンケであるとわかっていた。
9月の文化祭でOに一緒に回ろう、とを誘ったりして、俺はなるべくOと一緒にいようとしていた。しかしそんな気持ちとは裏腹に、季節は移り変わる。木々に色づいていた葉はすっかり落ち、肌寒い季節になっていた。
俺の心はどこか寂しい。11月になりOはチャリ通になり、一緒に学校に行くことができなくなったのだ。このときの俺は本当にテンションが常に低かった。それに加えて受験勉強のせいで運動不足でもあったから、そうとうまいっていた。だから、俺は軽い運動として登下校のときに降りる駅を一つ前にして、そこから走ることに決めた。
11月下旬、どんどん寒くなる時期に俺は走り始めた。しばらくして後ろからけたたましい自転車のベルの音がする。俺はいつものように知らない振りをしていた。すると、誰かが横で俺を呼ぶ。
「こら、無視すんな。」
俺は目を見張る。そこにはOがいた。
「なんでお前がここにいんだよ。」
「そりゃあ、ここ通る道だし。どうかしたか?」
俺は焦っていた、いや嬉しくて頭が回らなかった。
「っえっああそういえばそうだったな。」
「・・・変なやつだなぁー。」
Oは頭に疑問符を浮かべている。こうやり取りしながらも、また一緒に行けると思うと心が弾んだ。
その後の俺の頭の中では運動のため<Oと一緒にいくため、という図式が出来上がっていた。そして俺はOへの気持ちがより大きくなっていった。こいつと一緒にいたい・・・と。