バレンタインが近付いている度にワクワクが大きくなっていった。俺の頭の中はHのチョコのことでいっぱいだった。
そしてバレンタイン当日Hは約束通りにチョコを持って来ていた。
俺「Hのチョコマジ楽しみか〜」
H「ほら持って来てやったぞ!」
Hが俺にチョコを持ってきたかと思うと、どっかの野次馬野郎達がHのチョコに群がり始めた。Hもそれを気にしてないように皆で食べるように言った。俺はかなりショックだった。
野次馬野郎「これHが作ったと?」
H「いや、姉ちゃんに皆で食べてって貰ったさ(笑)」
野次馬野郎「へぇ〜Hの姉ちゃん凄いね」
俺はてっきりHが作ったと思っていたから、なんか複雑な気持ちになった。Hのチョコが無くなると野次馬野郎はバラけていってしまい、俺とHだけが残っていた。
俺「あれHが作ったんじゃないんだ?」
H「俺が作ったよ(笑)」
俺「でもさっき姉ちゃんに貰ったって言ってたじゃん」
H「あ〜あれは…なんか嫌じゃん男の俺が作ったって言ったら」
俺「別に良いと思うよ。男が作っても」
実際俺もお菓子作りなんかは結構やったことがある。Hもあるらしい。
俺「てかHって皆のために作って来たんだね」
俺は一個しか食えなかったウラミをHにぶつけるように冷たく言った。すると、Hは驚く事を言ってきた。
H「本当はけんに食べて貰いたかったよ」
ならなんで皆で食べようなんて言うんだよって心の中で思ったが、Hの本心が聞けて嬉しくなった。
そのあと部活仲間にもあげていたらしい。しかも中身をロシアンルーレットにして。
ばかなH(笑)