僕は、ごく普通の両親、貧乏でもなく裕福でもない家庭に生まれ、幼稚園も通い、地元の小学校も通い、地元の中学校も出た。
今日は待ちに待った高校の入学式。
少し大きなブレザーを来て胸を弾ませながらの初登校。
僕が今日から通う事になるこのK高校は、普通レベルの学校。
しかし、荒れた中学時代を送った僕にとって普通レベルの高校に入学できる事は、奇跡的と言えるだろう。
かなり派手な事をしていた。
しかし受験が近づくにつれ、焦りが出てきて勉強だって死ぬ程やったし、授業だって真面目に受けた。
そうして、推薦入学ではなく一般の筆記テストで入学できる程の実力がついた。
その頃が懐かしく思えてしまう、そんな今日、僕はこのK高校に入学する。
後に愛しさで胸が潰れそうな想いを注ぐ相手に出会うだなんて、知るよしもなく。