入った高校は、俺の住んでるA市から電車で約50分のB市にある。友達は皆、市内の高校に入学したから、俺は知り合いが一人もいなく不安だった。
初登校の日、俺は賑やかな教室の中で、一人寂しく机につっぷしていた。もともとB市は高校の数が少ないため、地元の生徒の周りはほとんど知り合いで中学校の雰囲気とそう変わりない。
俺が、溜め息をついていると…
「ねぇねぇ」
誰かに声をかけられた。
俺が少し驚いて、振り返ると、ワックスで髪を立てて、いかにも、かっこいいなぁと思ってしまう
顔立ち。可愛い笑顔。俺は一瞬、見入ってしまった…
真「あれ?どうしたの(笑)俺の顔なんかおかしい?」
すごくドキドキした。
当時はノンケの俺だったけど、あまりに真吾が魅力的なんで緊張してしまった。
俺「い…いや、ごめん!!なんでもないよ(笑)」
真「それより、君A市の子だよね??吹奏楽やってるでしょ!?」
俺「え…!!何で知ってるの??」
真「俺、B市のW中で吹奏楽やってたよ!コンクールの県大会の時、楽譜落とした時に君がひろってくれたの覚えてない??」
俺は一瞬、考え込んだ。
そういうことがあったのは覚えてるけど、その時のその人はこんなにかっこよくなかったような…
俺「覚えてるよ… あれ…めっちゃ、髪長かった??」真「うん〃めっちゃださかったよね(笑)」
俺「かっよくなったな〜(笑)」
真「高校デビューってやつ!?笑やっぱ、もてたいぢゃん!!」
俺「はは。変わりすぎだよ!!誰だかわかんなかったもん(笑)」
俺らは一緒に笑った。そんな時に見せる笑顔も一段とかわいかった。
真「俺、真吾!!打楽器やってるよ!ここにはやっぱ憧れて来たんでしょ??」
俺「俺はD!大ちゃんって呼んで笑もちろん!!吹奏楽めっちゃつよいぢゃん」真「やっぱ、そうなんだ!人気あるもんね」
俺「つか、俺も打楽器…」
真「マジ!?!?オーディション勝負ぢゃん!!」
俺「負けねぇ(笑)」
真「こっちだって!!W中卒をなめんなよ!」
俺「うわぁ…自慢きたよ!去年、県1位だからって」真「いえーい( ̄+ー ̄)」
俺「うぜぇ…」
真「怒るなよぉ!冗談だって(笑)」
俺「怒ってないよ(笑)」
真「良かったぁ!!知り合ってそうそう、嫌われたかと思った(笑)」
俺「なわけねーぢゃん」
2人「あははは!!」
真吾となら、仲良くやっていける気がした。すごく嬉しかった。その後、俺らはメルアドを交換し、普通に世間話をしていた。
数分後…
「おーい!真吾ぉ!!」
廊下から声がした。
Bに続く