一平の家はいつもヤツらが来ているから汚かった。一週間家を空けるのだから綺麗にしてやろうと家に行き、俺は掃除を始めた。一平は寝ると言い出し俺は掃除を終え、つかの間…本当に何日ぶりかに隣で寝た。そして別れ際、珍しく外まで一緒にきてくれて見送ってくれた。 その時俺は
「さすがに一週間も会えなかったら寂しいわ。」
と初めて本音をつぶやいた。 一平は
「おまえアホちゃ…」
と言いかけたが俺のうつむく顔を見て言うのをやめたようだった。
そして別れ際、
「寂しかったら電話してもいいぞ。」
と捨てゼリフを吐いて
「おう。」
とハイタッチをして別れた。
一週間…この期間は決して長くはないはず。だが一平がいない一週間は本当に本当に長く感じた。合コンしても焼き肉しても花火をしてもその時間は埋まらなかった。
そして帰省から帰ってくる前々日、俺はたまらずメールをした。
「地元楽しい?」
「楽しいで〜?」
「そか。そっちは暑い?」
「蒸し暑いわ。」
「家でダラダラしてたらたるむよー。」
「肉ヤバいかも。」
「帰ってきたらつまんでやる」
「アホ!そんなにないわ。」
「ふーん。てかね、今日また男に言い寄られたさ。」
「またか!」
俺は冗談まじりでこう言った
「うん。でも大丈夫。俺は一平一筋だから。」
どうせ返ってくるのはキモイとかアホとかそんなもんだと、いつも通りだと思っていた。でも違った。
「お前、地味に嬉しいやんけ。」
俺は信じられなかった。こんなこと言われて嬉しいやつなんかいるんだって。 俺はあまりの動揺にその日はメールを返すことができなかった。
そして次の日。