卒業式当日。
朝起きて学校に行く。俺は友達と談笑していて以外にも落ち着いていた。HRが始まる。そして卒業式。今までの高校生活が頭の中で蘇ってくる。部活、行事、友達、テスト結果。でも一番考えていたのはOの事だった。卒業式なのに一人だけそわそわして落ち着きが無かったように思えるほどだ。
卒業式が終わり、最後のHRが始まる。みんな晴れ晴れしていて、クラスの空気は気持ちよかった。先生は最後の最後で泣いて湿っぽくなってしまったが。俺も高校は楽しかったと心から思っている。友達とも最後の馬鹿騒ぎをして楽しんだ。そしてついに、Oに俺のことを話すときが来た。
昇降口で靴を履き替え、部室へと向かう。俺は今までにかつて無いほど緊張していた。中学のときに告ったときよりもだ(もちあいては男)。だがこの緊張の糸は間単に切れてしまう。
部室のドアを開けると、そこにはOと他の部員(俺の友達)がいたのだ。Oはこう言う。
「おっやっと来た。受験のストレス発散にサンドバック殴りたいんだろ。」
友達は納得している。
「あっそうか。好きにしていきなよ。」
俺はあっけにとられて言う。
「あっああ。まーそうだな。」
どうやら、場所と俺の状況が悪かったらしい。Oは勘違いしていた。
(ったくこんな状況でどうやってカミングアウトなんてすればいんだよ。Oは納 得してるし、本気で俺が気分転換に来たと思ってやがる。あーーーくそっ。も うわけわかんねぇええええーーー。)
こんな俺の心境だ。もはや俺はやけになり嘘が本当になってしまっている。
一時間が過ぎ、さすがに疲れた俺はもうどうでも良くなり、帰ることにした。必ず伝えると心に決めたのに、その心は無残にも砕けてしまった。
こうして俺は超超超ローテンションで帰っていく。だかしかし、これでは終わらないのだった。翌日の夜に俺はようやくついにカミングアウトできた。