待ちきれず、その場で手紙を開いた。
「大好きなHへ。
口で伝えるとうまく言えなくなりそうだったから手紙を書いたよ。
まず、こんな俺を好きになってくれてありがとう。
いつもあんまデートとか連れてってあげれなくてごめんな。
俺、本当にお前のことが大好きだ。
一生そばにいてくれ。
これはプロポーズに近いけど、違うぞ?
本当のプロポーズは口で伝えるからそれまで待ってろ。
お前、いつか話してくれた夢、あっただろ?
その夢、叶うまでぜってぇ諦めんなよ?
俺が許さないから。
そうやって、夢に向かってる姿も、お前の笑顔も泣き顔も、全部大好きだ。
これからも二人で人生しっかり歩んでいこうぜ!
メリークリスマス
愛してるぞ、H
Kより」
なんだこれ…。
“夢”
すっかり忘れてた…。
そう言えばお互いの夢、語り合ったことあったんだ…。
諦めたら、許さない。かぁ…。
バカ…。
思い出したよ。
諦めないよ。
Kくんの為にも、自分の為にも。
K母「どう?なんて書いてあった?」
僕「夢を諦めるなって。大好きだって。」
K母「ふふふ。あの子らしいわね。で、さっきの言葉の続きは?」僕「(KくんのSっぷりは母親譲りだ…)なんでもありません。」
K母「じゃ、これからもよろしくね!この日からまた、みんなそれぞれ前を向いて人生歩みましょ♪」
僕「はい!」
そして、この辛い時でも人に前向きな姿を見せるところもそっくりだ…。
K兄「それから。俺にもこんな手紙を書いてたんだ。」
お兄さんが見せてくれた手紙には…。
「兄貴へ
もし、俺に何かあったときはHの事をよろしく頼む。
K」
K兄「まるで自分が死ぬの分かってたみたいだよな?しかも、よろしく頼むって、俺の人生全く考えてねぇし。」
僕「で、ですね(笑)」
そんなこんなで、Kくんが亡くなってから今年で3年…。
あれから僕は、Kくんの家族とも仲良くなり、Kくんの家族と僕の家族も仲良くなり、今僕はKくんのお兄さんと仲良くお付き合いさせてもらってます。
Kくんにそっくりでしっかりした優しいお兄さんです。
こんな姿をKくんが見たら、きっと喜んでくれるはず。
Kくんの思いを受け僕を愛してくれたKくんのお兄さん。
Kくんの思いを胸に夢に向かう僕。
Kくんは僕を夢に向かわせてくれる為、Kくんが尊敬していたお兄さんに出会わせる為に現れたのかもしれません。
僕は運命を信じます。
End