数日経ってまた夢を見た。今度は相手がはっきりとわかった。
Sだった。夢の中で僕とSは隣に座り僕はSの肩に頭を寄りかけていた。
夢の人が誰だかわかってすっきりした気分だった。
でもそんな気分も束の間、その日にバイトに行ったらSも出勤。
夢に出てきてイチャついてた人が目の前にいるって思ったら急に胸がドキドキしてしまった。
いつものようにSは絡んでくるけどそれどころじゃなかった。
しかも、気を許せばSのことをまじまじと見てしまって、さすがにSも視線に気づいたらしくいつもの冗談口調で「何?男には興味ないからね。笑」って言われてしまい。「いや、ただぼーっとしてただけですよ。好きになってほしかったですか?いつでもどーぞ。」といつもの装いましたが、心のなかはバクバクでした。
それからも欲求不満かってくらいSの夢を見るようになって自分の中では「もしかしたら」なって考えるようになっていました。
でも彼はノンケだし、勇気もないから告るなんて考えにもなかった。ただ、見てるだけでも、話せるだけでもいいかなって思ってた。
でもそんな時間はいつまでも続かなかった。彼は就職の為、今年の冬をもってバイトを辞めるということを聞いた。
さすがに悲しさを隠すことはできなかった、泣きそうだった。
でもSは「いま辞めるわけじゃないんだからへこむなよ。」って励ましてくれた。
そういうところがまた好きになっちゃうとも知らないで。