彼と初めて出逢ったのは二年前の夏
彼は名古屋に勤めているプレーヤー(現役ホスト)で
キャッチされたことをきっかけに
メールのやりとりをするようになった
はじめのうちは店に来てぇ−みたいな
呼び込み営業のメールばっかだったけど
いつか 電話で話すようになってから
仲良くなって会ったりもした
そして気づかないうちあたしは
彼に恋心を抱くようになった
外見は普通に女の子で
多少声はハスキーだけど
まさか男だとは彼はきっと思っていない
彼への思いを伝えることができない
苦しみとかつらさとか
たえるしかなかった
もし男だとわかったら
きっと彼を失うことのなるだろうから
友達のまま そばにいれるだけで
幸せに思えた
そんなある日彼は急にあたしを呼び出した
「俺ら… つきあわねぇ??」
涙がこぼれてしまうほど
嬉しかったのと同時に
不安が胸を痛めた
知らないままのほうがいい
そう思った
「少し…時間をください」
本当はすぐにでもはいとこたえたかった
本当は心のどこかで好きなら受け入れてくれると
期待していた
でも彼にはいえない
本当のことをいえない
次の日 「友達のままのほうがいい」
とメールした
「わかった」
これが最後のメールだった
あたしがいると 彼はきっと辛くなる
同じように胸が締め付けられるような痛みを
そばにいるだけかんじるのかもしれないから
この恋をあきらめた
二年後… 偶然彼に逢った
相変わらずホストの仕事していた
スーツ着て 髪を立たせて
前よりかっこよくなった
あたしは二年もの間まだ彼をあきらめきれず
ずっと逢いたかった
あの選択でよかったのかなって
ずっと悔やんでいた
だから再びめぐり合えて
嬉しかった
「なぁ… お前のことまだ…」
彼はあたしをぎゅっと抱きしめた
彼もまだあたしのこと忘れられずにいた
愛されているっていう気持ちがわかった気がした
あたしは彼に打ち明けた