一ヵ月位して少年とも仲良くなった頃、少年が重病であること、もう治せないこと、もうあまり生きられないことなどを聞いた。とてもショックだった。私はあの少年に何が出来るだろうか。私は少年にどんな風に接すればいいのだろうか。少年は真実を知った方が良いのではないだろうか。いろいろ考えた。そして私は少年に会いに行った。 少年は窓辺で絵を描いていた。少年の絵はとても上手く、見る人に生きる力を与えるものだった。しかし、その日私は、少年の絵から今まで見えなかった寂しさや苦痛が見えてきた。少年はいつものように笑顔を見せてくれた。少年が重病であるのが嘘であるかのように。。。 少年は絵を描くのが好きだった。私が受けた印象としてはとても社交的でいつも笑顔で明るい少年であった。少年は私にとって初めて親しくなった患者であった。。。